中原中也
それは一時の氣の迷ひ、 / あきらめなされといふけれど、
迷ひがほんとかほんとが迷ひか、 / 迷ひこそほんたうであらうとおもふ
いいえ、いけませんいけません、 / そんなことはいけません、か?
なんでいけないといふのやら、 / 理由はまだ誰からも聞かぬ
だつて、あなた、だつて、だつてか、 / ――なんとも退屈な人生ではある
何時敎はり、何處で覺えたとも分らない、
/
こんな眞面目
かくて人間は生れ、人間は死に、 / だつて、あなた、だつて、だつてだ
少しばかりの憧れと、盛り澤山な世話場との / チェッ、結構な佃煮だい。
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