中原中也
傍若無人な、そなたの美しい振舞ひを、 / その手を、まるで男の方を見ない眼を、 / わたしがどんなに尊重したかは、
わたしはまるで俯向いてゐて、 / そなたを一と目も見なかつたけれど、 / そなたは豹にしては鹿、 / 鹿にしては豹に似てゐた。
野卑な男達はそなたを堅い木材と感じ
/
節度の他に何にも知らぬ男達は、
/
そなたを
されば私は差上げる、 / どうせ此の世では報はれないだらうそなたの美のために、 / 白の手套とオリーヴ色のジャケツとを、 / 私が死んだ時、私の抽出しからお取り下さい。
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