中原中也
秋の日は、干物の匂ひがするよ
外苑の鋪道しろじろ、うちつづき、 / 千駄ヶ谷 森の梢のちろちろと / 空を透かせて、われわれを / 視守る 如し。
干物の、匂ひを嗅いで、うとうとと / 秋蝉の鳴く聲聞いて、われ睡る / 人の世の、もの事すべて患(わづ)らはし / 匂を嗅いで睡ります、ひとびとよ、
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