中原中也
いとけない顏のうへに、 / 降りはじめの雨が、ぽたつと落ちた……
百合の少女(をとめ)の眼瞼の縁(ふち)に、 / 露の玉が一つ、あらはれた……
春の祭の街(まち)の上に空から石が降つて來た / 人がみんなとび退いた!
いとけない顏の上に、 / 雨が一つ、落ちた……
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