中原中也
まづいビフテキ / 寒い夜 / 澱粉過剩の胃にたいし / この明滅燈の分析的なこと!
あれあの星といふものは / 地球と人との樣により / 新古自在に見えるもの
とほい昔の星だつて / いまの私になじめばよい
私の意志の盡きるまで / あれはあゝして待つてるつもり
私はそれをよく知つてるが / 遂々のとこははむかつても / こゝのところを親しめば / 神樣への奉仕となるばかりの / 愛でもがそこですまされるといふもの
この生活の肩掛や / この生活の相談が / みんな私に叛きます / なんと藁紙の熟考よ
私はそれを悲しみます / それでも明日は元氣です
http://www.junkwork.net/txt