中原中也
幼き戀は / 燐寸の軸木 / 燃えてしまへば / あるまいものを
寢覺めの囁きは / 燃えた燐だつた / また燃える時が / ありませうか
アルコールのやうな夕暮に / 二人は再びあひました―― / 壓搾酸素でもてゝゐる / 戀とはどんなものですか / その實今は平凡ですが / たつたこなひだ燃えた日の / 印象が二人を一緒に引きずつてます / 何の方へです―― / ソーセーヂが / 紫色に腐れました―― / 多分「話の種」の方へでせう
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