亡き兒文也の靈に捧ぐ
中原中也
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
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千萬年も、古びた
それは寺院の森の霧つた空…… / そのあたりで鳴つて、そしてそこから響いて來る。 / それは寺院の森の霧つた空……
その時子供は父母の膝下で蕎麥を食うべ、 / その時銀座はいつぱいの人出、淺草もいつぱいの人出、 / その時子供は父母の膝下で蕎麥を食うべ。
その時銀座はいつぱいの人出、淺草もいつぱいの人出。 / その時囚人は、どんな心持だらう、どんな心持だらう、 / その時銀座はいつぱいの人出、淺草もいつぱいの人出。
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
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千萬年も、古びた
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