亡き兒文也の靈に捧ぐ
中原中也
またひとしきり 午前の雨が / 菖蒲のいろの みどりいろ / 眼(まなこ)うるめる 面長き女(ひと) / たちあらはれて 消えてゆく
たちあらはれて 消えゆけば / うれひに沈み しとしとと / 畠(はたけ)の上に 落ちてゐる / はてしもしれず 落ちてゐる
お太鼓叩いて 笛吹いて / あどけない子が 日曜日 / 疊の上で 遊びます
お太鼓叩いて 笛吹いて / 遊んでゐれば 雨が降る / 櫺子(れんじ)の外に 雨が降る
http://www.junkwork.net/txt