亡き兒文也の靈に捧ぐ
中原中也
コボルト空に往交(ゆきか)へば、 / 野に / 蒼白の / この小兒。
黑雲空にすぢ引けば、 / この小兒 / 搾る涙は / 銀の液……
地球が二つに割れゝばいい、 / そして片方は洋行すればいい、 / すれば私はもう片方に腰掛けて / 靑空をばかり――
花崗の巖(いはほ)や / 濱の空 / み寺の屋根や / 海の果て……
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