中原中也
夏は靑い空に、白い雲を浮ばせ、 / わが嘆きをうたふ。 / わが知らぬ、とほきとほきとほき深みにて / 靑空は、白い雲を呼ぶ。
わが嘆きわが悲しみよ、かうべを昂げよ。 / ――記憶も、去るにあらずや…… / 湧き起る歡喜のためには / 人の情けも、小さきものとみゆるにあらずや
ああ、神樣、これがすべてでございます、 / 盡すなく盡さるるなく、 / 心のまゝにうたへる心こそ / これがすべてでございます!
空のもと林の中に、たゆけくも
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