中原中也
倦怠の谷間に落つる / この眞ツ白い光は、 / 私の心を悲しませ、 / 私の心を苦しくする。
眞ツ白い光は、澤山の
/
倦怠の呟きを搔消してしまひ、
/
倦怠は、やがて憎怨となる
/
かの無言なる
忽ちにそれは心を石と化し / 人はただ寢轉ぶより仕方もないのだ / 同時に、果されずに過ぎる義務の數々を / 悔いながらにかぞへなければならないのだ。
はては世の中が偶然ばかりとみえてきて、
/
人はただ、絶えず慄へる、木の葉のやうに
/
午睡から覺めたばかりのやうに
/
呆然たる意識の裡に、
http://www.junkwork.net/txt