中原中也
河瀨の音が山に來る、 / 春の光は、石のやうだ。 / 筧(かけひ)の水は、物語る / 白髪の嫗(をうな)にさも肖てる。
雲母の口して歌つたよ、 / 背(うし)ろに倒れ、歌つたよ、 / 心は涸れて皺枯れて、 / 巖(いはほ)の上の、綱渡り。
知れざる炎、空にゆき!
響の雨は、濡れ冠る!
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われかにかくに手を拍く……
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