1. monologue
  2. Other Stories
  3. チャイルドメイカー
  4. 宅配便

チャイルドメイカー

  1. 出会い、始まり
  2. セットアップ
  3. 現実的な
  4. 宅配便
  5. 助言
  6. 代償
  7. 電話の声
  8. 終わりの始まり
  9. おかしな噂
  10. 隠し事
  11. 忠告
  12. 幸せへ向けて
  13. 真相

宅配便

「郵便です」

宅配便か何かの配達員の声で僕は目を覚ました。

「んん、日曜くらい、ゆっくり昼まで」
「郵便です」

インターホンは何度も何度もけたたましく鳴り、布団から出ようとしない僕をついに動かした。印鑑をわしづかみにして、玄関まで不機嫌な足取りで歩く。

「はい、どちら様?」
「郵便です、ここに印鑑をください」

誰か聞かなくてもわかっていてわざと尋ねた僕に、配達員は無愛想に答えた。僕の皮肉に応じるつもりは全くないらしい。

「どこから? 何の小包?」

配達員から渡された小包は 40cm 四方くらいの大きさで、重さはそんなになかった。通信販売なんかで買った記憶もないし、送ってくるような人も思い当たらない。

「ねぇ、これ誰の」

顔をあげた僕の目の前に、配達員はもういなかった。さっさと仕事に戻っていってしまったのだろうか。

「無愛想なやつ」

部屋に戻って小包を破ると、中から何か布の端のようなものが見えてきた。割と上質な布のようで、キレイな青色をしていた。

「何だろう? スカーフ? ますます身に覚えがないな」

小包の包装紙を全部破って、中身を完全に取り出してみる。それは、丁寧に作られたドレスだった。サイズからみて子供用の。

「……これは」

それは昨晩あのゲームで、僕がゲームの中で "アリス" に買い与えたものと瓜二つだった。電源の切れたままのパソコンを見つめる。

「後で請求書がどどっと、なんてことになったりして」

笑えない冗談をつぶやいて、僕は呆然と立ち尽くした。もしかしたら僕は、何か面倒なことに足を突っ込んでしまったのかも知れない。

To Be Continued