monologue : Days.

Days - Log // 2007-09

2007-09-02 Sun.

誰とつながることにも未練を感じなくなる、というのは、平坦で安息な、少しおどろおどろしい響きがある。死ぬことと何が違うのか。僕はもう、君のことを思い出さなくても生きてゆけると思う。ただ、最初から誰にも関わらなければ良かったと、思わないことはない。

2007-09-04 Tue. 狂言

「鎮静剤は不要です」
「どれ君、それじゃ生き辛かろう、やり辛かろう。ほんの少しだけ感覚を鈍化させてしまえば、君はもう何だってできる。彼らと同じように振る舞うことだって不自然じゃないし、彼ら以上に間抜けな自分へ腹を立てることもなかろう。適応、適応だ。適当なる適応だ。生きるだけで辛い思いなんてしなくていいのだし、君はもう少し、今より幸せに生きられるんだ」
「不要です、不要なんです。僕を測らないで、謀らないでくれ。僕は安定した日常を求めてなんかいない。害のない虚ろな薄ら笑いなんてしたくない。そんなもの、僕は幸せなんて思わない。誰かに認められたり赦されたり愛されたり忘れられたりするくらいなら、今の泥水の底でもがいている方がよっぽどマシだ」
「これ、そんなことを。心配なんてしなくていいんだ、すぐに済むんだから。そんな、妄想めいたこと」
「鎮静剤は不要です、不要なんです。後生です、どうか僕を放っておいてくれないか」

" Delirium "

2007-09-09 Sun. 狂言

「君だけは違うと思っていたのに」
「どうして毎回そうなんだ、どうしてお前は詰めを見誤るんだ。本当の意味で心を開いたことなんてないだろう、お前の複製なんてどこにもいやしないんだ。お前は、自分とよく似た、けれど確かに違和感を覚えさせる程度に些細な違いを抱えた、誰かと折り合いをつけてやっていくしかないんだ。そうでなけりゃほら、また今の繰り返しばかりだ」
「それでも僕は、君がここからいなくなったら悲しく思うだろう。滑稽に思うかい? そうだろうな、君にはわからないと思う」

" Alone Again "

2007-09-12 Wed.

ここに残っていて遡れるだけで、六年前から何かしらの文章を書いている。多分一番最初は、八年くらい前まで遡る。掌編を書き始めたのは高校時代に友人がくれたきっかけだったと思うけれど、そこに書かれていることは、決して彼からの影響だけではないはずだ。僕が内側に溜め込んでいたものを吐き出した結果、のはずだ。もちろん、それにはその時々で自分が入れ込んでいたものの影響もあるにせよ。何年も何年も、自分の内側に溜め込んでいたものを吐き出して吐き出して、吐き出した。吐き出すことに慣れた頃には、溜め込まずにすぐに吐き出すようになった。吐き出して吐き出して、もう六年以上経った。

意味も、意義も変わった。最初の数年間、ずっと僕は、誰かの普遍的な感覚を(平たく言えば価値観を)にじりたくて仕方がなかった。捻じれた衝動行為を抑えなかったことを寸分も後悔していない、ことはないけれど、それはそれで、それなりに誰かの何かになったことで、良かったと思う。

今こんなことを書くのは、意味も意義も変わったということ。僕は今、書くことで自分を救えないかと思っている。書くことで自分を癒せないかと思っている。多分本当のことを言えば、最初からそういうものでもあったのだと思う。書くことで誰かに否定的なことをも言うということは、自分と違う誰かへ一撃を食らわせるということは、自分を誇示して認めさせようということであって、今の僕と本質的には変わらないのだと思う。ただ、素直になっただけのことで。僕は素直になって、自分のために何かを書くようになったのだということ。六年か八年か前より少し、素直になったのだということ。

僕のためにということが、いつかまた、誰かへ向けた何かになれば、それはそれで。

2007-09-15 Sat.

人間について考えているようで、自分について考えている。自分のことだけを考えたところで自分のことが上手くいくはずはないのだけれど、どうして彼らのために僅かでも労力を割かなければならないのか、なんてことを考えている。

2007-09-24 Mon.

言葉を選ばないと書けない日記に、何の意味があるんだろう、と。

意味なんてどこにもない。

2007-09-25 Tue.

不定期に誰かと会うということ。

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